侃侃諤諤

今日は。左様なら。お早う。挨拶を漢字で書くと面白い。

最近は東京生まれ東京育ちがすごく弱くて、地方生まれで東京に出てきた人間がものすごく強いことに気づいた。

私はおばあちゃん子だったので、お年寄りが物凄く好きだ。どうしてこうもお年寄りの顔にあるシワは人を幸せにするんだろうか。かわいいし、シワがあるだけで威厳があるし、格好いいし。私は結構シワフェチなので、異性の好みは勿論「目尻にシワが出来る人」である。
顔にあるシワの中で目尻のシワが一番好きだ。目に尾びれがついたみたいだと幼少期、祖母の笑顔をみながら感動したのを覚えている。顔に鎮座する2匹の魚は、祖母が笑うたび尾びれを動かしてパフォーマンスをしてくれた。

そんな祖母は私の高校入試1週間前に亡くなった。お葬式に英単語を書いた暗記カードを持って行ったことを覚えている。母は私の受験に影響するんじゃないかと在らぬ心配をしていたようだが、寧ろ私は「大好きなばあちゃん死んだんやから受験受からないわけがない。ばあちゃんは私を受からせるために死んだんや。受からないとおかしい。オイ!神様!仏様!ふざけんな!受からせろ!!」となぜが神仏にブチ切れ、開き直っていた。そして無事志望校には合格した。だけど大好きだった人がいなくなったことには変わりなかったので、しばらくはずっと夢に祖母が出てきてその度に人知れず泣いていたものである。一週間に一回は祖母の夢を見る生活が3年ほどつづいた。辛すぎて大好きだった祖母を少し恨んだくらいである。
最近はそれもなくなった。こうやって悲しいことは忘れていくんだと思う。
今ふと祖母の声を思い出そうとしたのだが、全く思い出せない。それを出来ない自分が嫌になって、そのうち思い出そうともしなくなるだろう。それとも、祖母の化粧品を勝手に触って大事なファンデーションを粉々にしたことや、祖母のブラジャーがダサ過ぎるとからかったこと、3年目にしてようやく許してくれたんだろうか。f:id:muchu0:20141028201908j:plain