悪い口
一人暮らしをはじめて否が応でも料理をせねばならない状況下に置かれた。
そんな生活ももう半年経ったわけだが、如何せん私は今までほとんど料理などしたことがなかったので最初の頃は本当にカット野菜とオイスターソースをぶち込んだ野菜炒めしか作れなかった。
これが半年前の私の料理たちである。見ていただいたらわかるように、まずレパートリーがない。基本的にもやしが多く、というか毎日もやしを食べていた。だが不思議なもので自分が作ったものだからそんなに嫌な気にはならない。
味付けが変わっていなくても食べていてなぜか新鮮味を感じ、「おいしいのら〜!!!!」と食べる度感動を覚えていた。そしてこうして全く変わりばえのないもやし炒めや玉子を炒めただけのものを毎晩嬉しそうに写真に収めていたのである。
今思うと、自分が料理をしていることに酔っていたのだと思う。たかがこんなクソ料理で・・と思う人もいるかもしれないが、その時の私にとっては多分、オーロラを北極で見たくらいの感動が毎日続いていたのだ。アッ、右に写っている南瓜の煮付けは、もやしばかり食べている私を心配して友人が作ってくれたものである。紛らわしくて、メンゴ。
最近はようやくレパートリーも増えてきて、肉じゃがくらいは作れるようになった。充分な進歩だ。だがもやしに対しての情熱は捨てきれず、相変わらずもやしは週一のペースで食べている。命に感謝。合掌。